都市農地とまちづくり
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農住組合制度・実績

Q&A


Q11 各手法による税制上の取扱いの違いは・・・
A

 基盤整備事業の手法で分類すると、交換分合、土地区画整理事業(共同施行/土地区画整理組合)、開発行為、各々の場合によって異なります。そのあらましは以下のとおり。

交換分合による土地の譲渡・取得については・・・
清算金がないかぎり所得税の非課税など、減免措置があります。
数人共同施行による土地区画整理事業の場合・・・
農住組合が普通法人であることから、保留地処分は課税対象となりますが、通常はその処分により売却益を得るものではないため、実質的には課税されないこととなります
土地区画整理組合による場合は・・・
同組合の事業に関わる部分については非課税となります
開発行為を選択する場合は・・・
原則として課税対象とされ、宅地を売却して事業費に充てた場合も課税されるのが通常です

なお税務の詳細については、税理士に相談することをおすすめします。

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Q12 農住組合事業と基盤整備事業の区域は一致させなければいけない?
A

 農住組合が数人共同施行の土地区画整理事業によって基盤整備事業を行なう場合は、その施行区域を組合の区域と一致させねばなりません。しかし数人共同施行以外による基盤整備事業の場合は特に定めがなく、たとえば飛び農地対策や地区内農地の集合化対策として交換分合手法をとる場合には、そのエリアを除く地区だけで、同意施行に基づく土地区画整理や開発行為などによる基盤整備事業が実施できます。

 なお既設組合の事業実施状況をみてみると、すべて区域の一致が図られています。

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Q13 組合設立後、農住組合法による必須条件を満たさなくなった場合は・・・
A

 農住組合法(第7条第1項)による必須事業には2種類あり、いずれについてもあくまで積極的な取組みが前提となりますが、万一事業実施が困難になった場合は、以下のような手続きが必要となります。

(1)土地の区画形態の変更及び公共施設整備が難しくなった場合
この事業を実施せずに、次の住宅建設以降の事業に移行することは不可能であり、関係者はまず本事業のすみやかな推進に努めてください。もしも一部組合員の同意がどうしても得られなくなった場合には、その組合員の除名(中途脱退は不可)を行なうとともに、地区の変更手続き(認可事項)が必要となります。

(2)住宅の建設・管理または譲渡(用地を含む)が難しくなった場合
保留地処分によって組合の地区が宅地化されれば、住宅の建設は自ずと進むと考えられますが、組合設立にいたるまでの関係者の熱意や努力を無にしないためにも、本事業促進への積極的な取組みが望まれます。

 また最悪のケースとして、組合設立後2年経過しても(1)の事業を開始しないときは、組合設立の認可権者である都道府県知事(または指定・中核市長)は組合の解散を命ずることができますが、こうした事態が生じないよう、JA及び地方行政の担当者は日頃より組合に対して適切なアドバイスや指導を心がけてください。

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Q14 事業期間を長期化させない方法は?
A

 一番の策は、事前の合意形成と、そのために必要な計画・準備に万全を期することでしょう。とりわけ各人の意向調整が難しい換地については、予めその仕組みや方法、手続きなどについて十分な説明と意見交換を行ない、理解を得ておくことが必要です。また事業中途での相続発生といった事態も予測され、対処方法についても事前に協議し、組合員間での確認を図っておくことが望まれます。さらに行政手続きなどによって工事の遅れをきたさぬよう、関係部局間の事前調整も十分に配慮しておくことも望まれます。

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Q15 事業費の財源をどう確保すれば・・・
A

 基盤整備事業の財源費としては、土地区画整理事業については、保留地処分などにより確保されますが、開発行為については、各人の自己負担が原則となっています。なお保留地処分については、事業の最終段階で行なわれるのが一般的であり、その間の事業費についてはJAからの借入れなどにより確保することが必要です。この場合、農住組合がJAの准組合員となる必要があります。

 また事業費財源として、国や地方公共団体からの財政支援が大きな比重を占めるケースもありますが、こうした支援措置を受けるためには、一定の条件を満たすことが前提となります。国による主な基盤整備事業財政支援措置は次のとおり。

特定土地区画整理事業(国土交通省・三大都市圏特定市対象)

 また都道府県及び市町村においても、独自の財政支援措置が講じられている場合があります。

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Q16 事業実施の段階で全員合意が得られない場合は、どうすれば・・・
A

 事業中途で全員合意が得られなくなる主な理由としては、減歩や換地に対する不満や、相続発生によって新たに組合員となった相続人からの反対などが考えられます。いずれの場合でも、事前の説明や意見交換を十分に行なうことによって、理解を得ていくほかありません。くれぐれも「ゴネ得」などという事態をきたさぬよう、事務局はあくまで公平な立場で、各人の利害調整を図ってください。万一、いかに努力しても合意が得られない場合は、反対者の除名措置を講ずることとなります。

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Q17 事業開始後、土地使用ができるのはいつごろ?
A

 土地区画整理事業で仮換地が指定された場合には仮換地の効力発生の日から、仮換地について使用収益を行なうことができ、従前の宅地については使用収益を行なうことができなくなります。また仮換地の使用収益開始日を別に定めることもあります。

 土地区画整理事業の施行地区内においては、事業の施行にかかわる認可の公告があった日から換地処分の公告がある日までは、建築行為などについて都道府県知事の許可が必要となりますが、一般に仮換地指定後には許可がなされることとなるようです。

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Q18 交換分合を行なう場合の留意点は・・・
A

 交換分合とは、効率的土地利用を目的として土地の区画形質を変更することなく、複数の土地所有権やその他の権利を一括して交換・分割または合併するもので、権利のみの交換である点で、換地と異なります。

 農住組合が行なう交換分合は、宅地造成などの推進を目的とし、対象となる土地も農地に限らず、また異なる地目間での交換分合も認められており、土地改良法などにおける交換分合とは大きく異なります。組合の地区内に市街化区域外農地を含む場合、あるいは飛び農地を含む場合は、交換分合を行なう必要があります。

 交換分合計画において市街化区域内農地を住宅地などへ移転する場合、交換分合計画に対する都道府県知事の認可をもって、農業委員会への事前届出及び農地法第5条第1項における都道府県知事の認可も不要となります。さらに交換分合計画の認可申請書類に記載された利用目的に供していれば、農地法第4条第1項における都道府県知事許可も要しません。一方、住宅地などへの転換以外の交換分合計画については、その内容が農地にかかわる権利移転などの許可ができない場合、農地法第3条第2項に該当する際は、都道府県知事は本計画を認可できませんが、当該認可がおりれば同時に農地法第3条第1項の認可があったものとみなされます。また交換分合計画において定められた一団の営農地などの区域については、生産緑地指定を要請することができます。

 なお三大都市圏の特定市において実施された交換分合については、所得税・法人税・登録免許税・不動産取得税及び特別土地保有税にかかわる特例措置が講じられています。

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