レクリエーション
地産地消・環境
・「農」「食」「アート」が融合したサステナブルファーム&パーク
千葉県木更津市の小高い丘と山々に囲まれた場所にあるKURKKU FIELDS(以下、クルックフィールズ)は、2019年11月にオープンした。現在、「農業」「食」「アート」を軸に、広大な農場で消費や食のあり方を提供するとともに、サステナブルなアイデアが詰まった魅力溢れるコンテンツが展開されている。
■「FARM」:農と食の循環
場内にある「オーガニックガーデン」や「エディブルガーデン」は、約10数種の野菜やハーブ、食用花の栽培・収穫といった農業体験の場だけでなく、ここで飼育している家畜たち(水牛、ブラウンスイス、鶏など)のふん、落ち葉や雑草などを堆肥化する循環型農業を実践している。また、鶏の餌には豆腐工場から出たおからや、出汁工場からでた鰹節、飼料米など県内の様々な未利用資源を活用し、地域内における資源循環にも取組んでいる。クルックフィールズは、「次の世代も使い続けられる農地へ」との考えのもと、「持続可能な社会づくり」に寄与している。
■「EAT」:無駄をなくし、命の恵みをいただく
場内では、ここで収穫された四季旬菜や飼育されている家畜の加工品(本州で唯一飼育されている水牛のモッツァレラチーズなど)のほか、県内で生産された農産物の加工品なども販売している。
ひときわ目を引いたのが、ソーセージなどを販売する「シャルキュトリー」であるが、原料に規格外の野菜や殺処分されてしまう雄鶏のほか、県内の野生の猪や鹿などが利用されており、「無駄をなくし、すべてを循環させ生かしていく」クルックフィールズの理念が実践されている。
■「ART」:現代アートと自然との対比・融合
クルックフィールズでは、世界的に有名なアート作家の草間彌生氏がこの施設のために制作した作品をはじめ、名だたる現代アーティストの作品が展示されている。とくに、草間氏の「新たなる空間への道標」という作品は、場内のシンボルマークのような存在感があるものの、その奥にある畑や牛舎などとの景色とうまく堆肥・融合している。こうした自然とアートが織りなす空間は、SNSのための写真を撮ることができそうなスポットとして、来場していた若年層も楽しんでいた。
クルックフィールズのメインエリア
「ベーカリー」で販売されている野菜など
「シフォン」で販売されている商品
「シャルキュトリー」の商品
クルックフィールズのメインエリア
クルックフィールズは、音楽プロデューサーの小林武史氏が同市で2010年に設立した「農地所有適格法人 株式会社 耕す(以下「耕す」)」が開場した「耕す木更津農場」の30ha(約9万坪)もある広大な農地の中にある。この農地は、約20年前に閉鎖された牧場跡地で、地元関係者によって維持管理が行われていたものの、面積も広く、大半は荒れ地になっており、2010年より「耕す」によって開墾・農地再生が行われた。
また、「耕す木更津農場」では「次の世代にも使い続けられる農地」を目指し、有機農業に取組み、有機JAS認証も取得しており、太陽光発電、古材の再利用、排泄物や生ごみの堆肥活用など、さまざまな環境への取組みが行われている。
評価ポイント!
都心からほど近い場所にあり、自然の豊かさや食を五感で体験するだけでなく、開放感があるため、リトリート(仕事や日常生活から一時的に離れ、疲れた心や身体を癒す過ごし方)目的や、アフターコロナにおいて、人との距離を気にすることなく過ごせる場所へのニーズが高まっている中で、都市生活者の新たな農とのふれあいの場となっている。 |
実施団体 | KURKKU FIELDS/クルックフィールズ |
活動地域 | 千葉県木更津市矢那2503 |
問い合わせ | info@kurkku.jp |
ホームページ | https://kurkkufields.jp/ |