福祉
市民雇用・援農・地産地消
Contents
・遊休農地を活用して地域を活性化(障がい者就労、周辺住民の雇用等)
障がい者の雇用の促進等に関する法律により従業員45人以上の民間事業主は雇用する労働者の2.2%以上の障がい者を雇用するよう義務付けられている。
障がい者の特性にもよるが、耕作、収穫、加工等、様々な作業で構成され、自然の中に身を置くと共に地域との交流も図られる農業は、障がい者の働くフィールドとして好ましいものと言われている。
しかし、農地利用は一定のまとまりが必要であり、個々の企業がそのフィールドとしての農地を細切れに確保するのは難しい。
日建リース工業株式会社は、2018年4月、埼玉県飯能市郊外で遊休化していた水田1町歩を借受け、23棟のハウスと農作業用の施設や共用施設を整備・管理する「はーとふる農園」をスタートさせた。
ここでは、障がい者の就労の場としての圃場を求める多数の企業が、農園と契約を結び、夫々各々1~数棟を利用し雇用した障がい者の働く農園として利用している。
こうした組立てハウスはもとより、ハウス内に設けられた建設足場用単管パイプを用いた高床式ベッドなどの整備は本業である建設資材等のレンタルのノウハウを生かして進められており、共用施設として、トイレ、冷暖房付きの休憩所、集荷所、保管庫(冷蔵庫付き)等が設置されている。
また、最寄り駅(飯能、青梅)までの送迎用に2台のマイクロバスがある。
この農園での農作業の特色は、砂地でのパイプ液肥による無農薬葉物栽培であり、レイズドベッドに砂が盛られた圃場でシニアサポーターの指導の下で各作業チームがベビーリーフ等の葉物野菜を中心に栽培している。
現在、はーとふる農園を利用している企業は13社にのぼり、働いている障がい者の合計は約60名となっている。
はーとふる農園自体には、日建リース工業株式会社のスタッフが10名(常勤5名、パート5名)勤務しており、施設管理や農業指導のほか、各企業が雇用するシニアサポーターの斡旋、周辺福祉事業所(就労移行支援)との連携も行っている。
現在、各圃場での収穫物は販売することをせず、それぞれの企業が福利厚生目的で利用しているが、夫々の圃場が少しでも収益が上げられるよう、はーとふる農園が収穫物を購入し、付加価値をつけ地域のスーパーや飲食店に卸す仕組みづくりを検討している。
また、神奈川県愛川町で同様な仕組みの農園第2号を開設中であり、立地条件の良いところで農地が得られれば更に拡大したいと考えている。
利用している1町歩の農地は、市街化調整区域内にあり、農業経営基盤強化促進法による利用権設定で賃借している。
評価ポイント!
福祉(障がい者雇用)… 「農福連携」は就労継続支援B型事業所等と農家との直接的な連携で進められることが多いが、障がい者雇用促進法に基づく雇用に対応している本農園の場合、就労移行支援事業所等からの一定レベル以上の障がい者雇用が対象となっており、農園周辺地域でのこうした障がい者の雇用の場の確保に貢献している。 市民雇用・援農… はーとふる農園のパート雇用や、各ハウスでの農作業をリードするシニアサポーター雇用として周辺地域のアクティブシニアの雇用の場を作り出している。 地産地消… 現在検討中の収穫物を地元スーパーや飲食店に出荷する仕組みづくりが進むことで、地産地消の効果が期待される。 |
団体名 | 日建リース工業株式会社(はーとふる農園) |
活動地域 | (本社)東京都千代田区 |
問い合わせ | TEL:03-3295-9111 |
ホームページ | https://www.nrg.co.jp/nikkenlease/heartful_nouen/ |
※文中、団体のご要望により「障がい者」と表示しています。