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  • 都市と農の共生をめざして~都市農地センター

一般財団法人都市農地活用支援センターでは、2024年1月、書籍「都市の農を考える-農的活動の新展開と『市民緑農地』の提案」を発刊しましたので、お知らせいたします。

書籍「都市の農を考える」案内リーフレットPDFファイル

諸外国と同様に我が国でも近年、農地だけでない様々な空間を利用した農的活動が広がりつつあります。

認定NPO法人日本都市計画家協会の研究会として発足した生産緑地研究会では、こうした動きを都市計画法や農地法の延長上で取り上げるのではなく、「農」の様々な機能を活かす市民の主体的活動として意味づけ光を当てようと議論を重ね、当センターもこれを支援してきました。

この成果を「都市の農を考える-農的活動の新展開と『市民緑農地』の提案」として、この度、発刊しました。

「市民緑農地」という考え方は、未だ法制度になってはいませんが、今後の都市における空地利用が目指すべき方向として、市民や自治体の担当者等の皆様方が様々な課題を解決する上で大いに役立つと考えられます。また、地域の団体や自治体の取組の中で「市民緑農地」的な考え方を取入れた事例が積み重ねられ国の制度化につながることが期待されます。

[書籍の概要]
書籍名:
「都市の農を考える-農的活動の新展開と市民緑農地の提案」
仕様:A5サイズ/330ページ
価格:4,620円(税込み)
発売日:2024年1月
編著:認定NPO法人日本都市計画家協会 生産緑地研究会
発行元:一般財団法人都市農地活用支援センター
発売元:株式会社プログレス

ご注文

ご注文は、発売元(株)プログレスや、各書店、オンラインショップなどをご利用ください。

※オンラインショップでの販売は、1月12日からを予定しています。
※今回は、一財)都市農地活用支援センターでの頒布はございません。


目次

まえがき:柳沢 厚(生産緑地研究会 座長代行)

第1章 都市空間における農的環境の役割:東 正則(元工学院大学工学部建築学科教授)
1.今、都市で農的環境の役割を論じる意味 
2.都市計画における農的環境の位置付け 
3.都市化都市計画の市民的到達点 
4.農的環境確保を通じての市民的都市論の台頭 
5.農的環境等の市民的拡大にみる都市の在り方の転換 
6.逼迫する都市防災への緊急対応 
7.本書の特徴と成果 

第2章 今後の農的活動の拡大・充実の方向

都市計画の転換期における生産緑地制度の意義とその役割について:北本美江子(都市住生活アトリエ)・大橋南海子((株)まちづくり工房・代表取締役)
1.都市計画の転換期と都市における農地 
2.生産緑地制度改定の時代的背景 
3.これからの都市における生産緑地の意義と役割 

都市農地の保全から農地創出・農的空間の拡大へ:小谷俊哉(一般財団法人都市農地活用支援センター 計画部長・主席研究員)
1.これまでの都市農地保全の取組み 
2.今後の課題 

都市農業における市民的農業の展望:緩鹿泰子(宮城大学食産業学群・講師)
1.都市農業の現状 
2.都市住民による農作物の消費から生産活動へ 
3.都市住民による地域の農業・農地の保全・活用の取組みと新たな動き 
4.市民的農業経営の展開と可能性 

公園管理の観点からの市民の農的活動:佐藤留美(NPO法人NPO birth事務局長、NPO法人Green Connection TOKYO代表理事)
1.はじめに 
2.みんなでつくる里山公園――市民の農的活動の拠点 
3.公園での農的活動の活発化のために 
4.農的活動がもたらす公園の可能性 
 
市民による農地利用と農地制度の制約:浅井葉子(公益財団法人東京都農林水産振興財団チャレンジ農業支援センター長)
1.農のある生活を求める声の高まり 
2.農地制度の課題 
3.もっと緩く農業を楽しもう 

第3章 農的環境の拡大・充実に向けた多様な試み

まちなかの空き地を農の空間に――神戸市・いちばたけの事例:新保奈穂美(兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科講師、淡路景観園芸学校景観園芸専門員、東北大学大学院国際文化研究科特任講師)
1.農あるまちづくりが進む神戸市 
2.商店街の空き地を活用した農の空間「いちばたけ」 
3.空き地活用型農園を含めた政策・制度の必要性 

日野市民がつくった「農のある暮らしづくり計画」と多様な展開:丸木英明(一般社団法人TUKURU代表理事、株式会社アール・ピー・アイ業務執行役員)
1.はじめに 
2.新たな農的活動の芽生え 
3.農のある暮らしづくり協議会の設立と計画づくり 
4.農のある暮らしづくり計画の紹介 
5.農のある暮らしづくりの推進 
   
マンション管理組合農業委員会の活動:加藤勲(ブラウシア管理組合法人・防災委員長 兼 農業委員会代表) 
1.ブラウシアの概要
2.マンションが農業⁉ ブラウシア農業委員会の活動
3.なぜ、マンションと農業に親和性があるのか? 
4.取組みのコツと課題 

住宅団地につられた市民農園:東忠平(一般財団法人都市農地活用支援センター・主任研究員)
1.はじめに 
2.住宅団地内の市民農園の概要 
3.住宅団地の市民農園の課題と今後の展望 
4.おわりに 


官民連携による公有地の活用――「タマリバタケ」:柿澤顕司(世田谷区都市整備政策部都市計画課 都市計画担当係長)
1.はじめに 
2.世田谷区の市民活動支援企業(提案型協働事業) 
3.タマリバタケの概要 
4.これまでの状況                                                     5.事業効果等 
6.事業運営等の課題 
7.対策 
8.これからの展望 
9.おわりに 

食と農をつなぐ津島農縁塾みんパタプロジェクト:飯尾裕光((株)みんパタプロジェクトCEO、(公社)全国愛農会会長、北海道拓殖短期大学招聘教授)
1.はじめに 
2.10歳のころ、田の畔道で得た原体験と原風景 
3.みんパタプロジェクトの前進「イニュニックファーム」の取組み 
4.都市近郊農業、CSA戦略と、食と農をつなげる持続可能な取組み 
5.農場は、野菜を生産するだけの場所ではない 
:6.農こそ、人間らしく生きるための根源 

第4章 「市民緑農地」の提案:佐藤啓二(一般財団法人都市農地活用支援センター常務理事・統括研究員)
1.「市民緑農地」のイメージ 
2.提案の背景 
3.「市民緑農地」提案の必要性――公共性と現状の制約 
4.「市民緑農地」の概念 
5.「市民緑農地」の法制度の内容 

第5章 市民緑農地実現のための制度的対応:柳沢厚(C-まち計画室 代表)
1.「市民緑農地」概念の法定化 
2.市民緑農地の設置および管理運営 
3.市民緑農地のバリエーション 
4.市民緑農地に関する公的支援 
5.立法形式について 
6.いくつかの論点 

第6章 制度の具体化に向けた課題

都市農家と都市住民による協働の基盤づくり:塩澤誠一郎(株式会社ニッセイ基礎研究所社会研究部都市政策調査室長) 
1.都市農家と都市住民の意識の隔たり 
2.都市農家と都市住民の現状状況 
3.都市農家と都市住民による協働の基盤づくりに向けて 
   
各分野の課題解決の取組み:大木祐悟(旭化成不動産レジデンス株式会社マンション建替え研究所特任研究員、一般社団法人不動産総合戦略協会理事長)
1.都市農地の現状 
2.生産緑地の指定だけで都市農地は維持できるか 
3.「事業」としての農業について考える 
4.都市農地を維持するために必要なこと 
  
自治体における体制整備等について~東京を対象に:井原満明( 地域計画研究所主宰、内閣府地域活性化伝道師、総務省地域力創造アドバイザー)
  はじめに 
1.東京の農業を取り巻く環境と自治体 
2.措置農業の新たな展開 
3.自治体における「市民緑農地」推進に向けた体制整備 
4.自治体における「市民緑農地」を推進する体制の課題

第7章 当面の取組みに当たって

国等の制度を活用した農的空間の拡大:小谷俊哉( 一般財団法人都市農地活用支援センター 計画部長・主席研究員)
1.都市に農を取り込む 
2.国の制度による農的空間の拡大 
 
地区計画農地“保全”条例への一考察:飯田直彦(フリーランス)
1.はじめに――都市の農的環境の充実の起点 
2.地区計画農地保全条例のカスタマイズ――剛柔ある許可制の構図 
3.農地保全条例プラスみどり基金条例――市民緑農地の育成 
4.おわりに――地域社会構成員の相互理解による協働作業 

都市農地の余剰容積率の活用方策:曽我浩(元神奈川県大和市役所職員)
1.制度の見直し――緑農住地区計画 
2.まとめにかえて 

あとがき:佐藤啓二(一般財団法人都市農地活用支援センター常務理事、生産緑地研究会・幹事)