特定非営利活動法人縁活 おもや 平成30年3月掲載
担い手育成 市民雇用・援農 レクリエーション
食育 高齢者の健康 福祉
交流 地産地消 環境
 

障害者と市民の交流による都市農地の有効活用の取り組み

  • 都市にある田んぼのイベントで障害者や親子連れが交流

取組みの概要

 おもやは、関西でも有数の人口増加地域である栗東市都市部に施設がある。おもや代表の杉田氏は代々農家であり、おもや開設以前より農業の習熟があったため、2011年(平成23年)開設当初より農業を中心とした障害者就労支援を始めることになった。父親がいちじく栽培農家であったこともあり、まずは施設周辺にある父親の農地を借りて地域特産のいちじく栽培から農業を開始した。そして米、葉菜、根菜と生産品目を広げ、おもや開設当初は50aであった耕作地が200aまで拡大。また、開設当初は1名であった障害者は22名まで増加し、農業の担い手を育成している。

 2013年(平成25年)からは、全ての生産を自然栽培に切り替え、付加価値の高い農作物を目指し取り組んでいる。その後、2016年(平成28年)には人手不足である地域農家のニーズに応え施設外就労による作業請負を始めるなど、農業を軸とした事業で障害者の就労の場を広げている。また、自然栽培をきっかけに安心安全こだわった食作りに取り組み、農家カフェ「オモヤキッチン」を2015年(平成27年)にオープン。地域に無肥料無農薬で生産された野菜をメインに食材を提供している。

 2017年(平成29年)から田んぼの一部を開放して市民参加の農業イベントを始めた。イベントでは環境に優しい米作りを学ぶ取り組みや伝統的な田枠を使った田植えを企画など、子供たちが農に親しむきっかけ提供し食育も行っている。

 おもやが取り組む安心安全の食材提供、障害者の働くことや自然栽培のすばらしさが地域に口コミで広がり、田んぼでのイベントは、若い世代の家族連れなど毎回30名の定員を超え、関係者と合わせて60名もの参加者が集まる。障害者と一緒になって小さな子供たちが泥だらけで作業する風景がある。
 
田植え体験


田枠を使った作業

取り組みの経緯

2011年 おもや開設
2013年 都市農地にて自然栽培で農業開始
2015年 農家カフェ事業開始
2015年 新しい農地を求め市内農村部の耕作放棄地で米作開始

耕作地確保・営農主体など

・NPO法人(福祉事業所)が農地所有適格法人・認定農業者となって、農業経営の主体となっている。

・農家である父親の所有農地の貸借利用からスタートし、周辺の耕作放棄地の貸借利用に広がっている。

・今後、地域でのマッチングシステム等が整う中で、新しい都市農地制度を活用し生産緑地の適地を貸借することも考えられる。

 
子供も泥んこ
 都市農業の機能発揮
福祉(障害者就労)・・・障害者の就労の場を求め農業を拡大する一方、担い手不足の解消、農に親しむための子供たちとの交流など、障害者就労の枠を超えて都市農業における地域の課題解決に取り組んでいる。また。2017年(平成29年)に福祉施設では数少ない認定農業者となり、地域農業のため農福連携を拡大していく方針である。

地産地消、環境・・・自然栽培で出来た食材を経営する飲食事業で提供し、親子が参加する農業体験のイベントを開催するなど、地域住民に環境に優しい農業、体に優しい食の提供を行っている。


団体概要
 団体名 特定非営利活動法人縁活 おもや
活動地域 滋賀県栗東市
問い合わせ  TEL:077-598-5368
メールアドレス:omoya@aria.ocn.ne.jp
 ホームページ https://ennkatu.or.jp/

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都市と農の共生
はじめに
事例紹介