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  • 都市と農の共生をめざして~都市農地センター

市民雇用・援農
担い手育成・食育・交流

農業による高齢者の雇用と健康のあり方に向けた取り組み

  農業で楽しく働き続け心身共、健康に

取組みの概要

ナガホリ代表の永堀氏は親の後を継ぎ就農、1995年(平成7年)に2haで会社を立ち上げた。地主に金銭的な負担をかけない方法で耕作放棄地を再生。行政からの依頼も増え、年々耕作面積が増えている。2017年(平成29年)現在、耕作面積約68ha、社員数2人、パート雇用100人弱となっている。

 パートには農業未経験の高齢者を多く雇用。ほとんどが周辺の住宅や団地から通われており、現在ではパートは65歳以上が大部分を占め、女性が6割以上を占め80歳代の方も3名働いておられる。年齢にかかわらず働く意欲をパート採用の目安にしているが、結果として高齢者の採用につながっている。

 働き方は、勤務シフトを決めておらず、リーダーとなる方が個別に連絡し、それぞれ働きたいときに出勤されている。グループとなって作業に入り、パートリーダーが作業工程ごとのメンバー割り当てや新しく採用された方の指導をするなど、作業環境づくりをおこなっている。また、個人別にその日の出来高をグラフにして貼りだすなど意欲の向上を図る一方、作業以外の時間では、おしゃべりの輪が広がり、コミュニケーションが生まれるなど、オンとオフによって高齢者の働きのモチベーション維持を図られている。

 小松菜のほか、枝豆やほうれん草を生産し、加工も手掛けるなど6次産業化をすすめ、輸出を目的とした海外での見本市にも積極的に出店している。

 再生した耕作放棄地は、農地所有者との間で一定期間の賃貸料を無料としてもらうかわりに農地復元の経費を請求しない契約をしており、耕作放棄地の再生に負担が少ないため、多くの農家から依頼がある。

収穫作業
(ナガホリHPより

調整作業
(ナガホリHPより

耕作地確保・営農主体など

・㈱ナガホリは農地所有適格法人であり、パート雇用として周辺団地居住者等の約100人を雇用し、小松菜等の軟弱野菜を中心に栽培・販売している。

・都市周辺のため、耕作地の確保が困難であること等から、河川敷の耕作放棄地の再生事業等により農地を確保している。

・今後、新しい都市農地制度がスタートする中、地域でのマッチングシステムの整備を踏まえ生産緑地活用した耕作地拡大が考えられる。

都市農業の機能発揮

評価ポイント!

都市農業者による市民の雇用・・・自由度の高い柔軟な働き方を提供することで、高齢であっても働く意欲のある人材が集まっている。
高齢者の健康・・・農作業で体を動かす一方、パートで得たお金を使う楽しみなどで就労意欲の向上を図るなど心身ともに健康を維持に役立っている。
低未利用地(耕作放棄地等)の有効活用・・・増加する耕作放棄地を自ら開墾し農地に復元している。復元費用を無料にする代わりに一定期間の農地賃料を無料にする契約で農地を拡大し、それにともない高齢者の雇用も増大している。

団体概要

団体名株式会社ナガホリ(農地所有適格法人)
活動地域埼玉県上尾市
問い合せTEL:048-725-1966
ホームページhttp://www.nagahori.com/