当センターでは、都市農地の関係者をはじめとして幅広い層の方に、都市における貴重な資源である農地の役割と利用・保全のあり方を考える契機としていただくため、毎年国土交通省が提唱する「土地月間」に併せて講演会を実施しています。
今回は、10 月 25 日(火)、東京・渋谷区の東京ウィメンズプラザにて、昨今の生産緑地法等の改正や、都市農地の貸借円滑化法の成立など、都市農業・都市農地を取り巻く現状と、それらを踏まえ、「都市農地を支える多様な主体について考える」をテーマに行いました。(開催にあたり、新型コロナウイルスの感染予防対策として、会場定員を半数に制限し、ソーシャルディスタンスの確保や参加者の体温測定、消毒等の対策を施すとともに、Zoom ウェビナーによるオンラインも併用して実施)。
当日は、地方自治体や、まちづくり等に関わる民間事業者の方々を中心に、会場では約 50 名の参加者、Zoom では約 160 名を超える視聴者があり、多くの方々にご参加いただきました。
最初に、情報提供として、都市農地関連制度の活用状況について、国土交通省都市計画課の酒井課長補佐から特定生産緑地の状況や地方都市における生産緑地導入を中心に情報提供いただき、農林水産省都市農業室の今川課長補佐から都市農地の貸借円滑化法とその活用事例を中心に、制度等の解説と全国での取組み状況を交えながら、最新状況を提供していただきました。
講演1では、まず茨城大学名誉教授の斎藤義則氏から、「『都市の農村化』による近代都市像の再構築―協同主義による『農住自給圏都市』へ」と題しまして、市民・団体・行政などによる様々な協業と協同主義の実践から、今後の都市農業・都市農地の展開について、ご講演いただきました。
講演2では、本講演会の共催団体でもある、定期借地権推進協議会運営委員長の大木祐悟氏から、「事例から考える新しい都市農業・農地利用―空き商業施設や遊休地の農的利用」と題し、空き地や建物の農業的利用による新しい都市農業・農地利用の可能性と事例を中心にお話いただきました。
今回ご登壇をいただきました国土交通省、農林水産省、斎藤先生には、当センターの情報誌「都市農地とまちづくり第 77 号」(ホームページにて 10 月 24 日公開)に執筆いただいた原稿を掲載しておりますので、ご覧いただけましたら幸いです。
ご参加の皆様からいただきましたご意見・ご感想等につきましては、今後の当センター事業の企画・実施に活かしてまいります。
【開催概要】
■ 開催日時:令和4年 10 月 25 日(火)13:15~16:30
■ 開催場所:東京ウィメンズプラザ ホール(東京都渋谷区神宮前)
■ 開催内容
情報提供「都市農業・都市農地をめぐる状況について」
国土交通省 都市局 都市計画課 課長補佐 酒井 翔平氏
農林水産省 農村振興局 農村計画課 都市農業室 課長補佐 今川 義英氏
講演1「『都市の農村化』による近代都市像の再構築―協同主義による「農住自給圏都市」へ―」
茨城大学 名誉教授 斎藤 義則氏
講演2「事例から考える新しい都市農業・農地利用―空き商業施設や遊休地の農的利用―」
定期借地権推進協議会 運営委員長 大木 祐悟氏
■ 主催 : 一般財団法人 都市農地活用支援センター
■ 共催 : 定期借地権推進協議会
■ 後援 : 国土交通省、農林水産省、一般社団法人 全国農業協同組合中央会