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2月18日(火)13時15分より、東京・文京区の全水道会館大会議室において、令和元年度都市農地活用実践ゼミナールを開催いたしました。
「新しい都市農地制度の推進 ~都市農地の保全と多面的活用」と題した本年度のゼミナールは、都市農地関連の制度が改正され各地での対応・活用が進む中で明らかになってきた様々な課題を整理するとともに、新制度によって可能性が広がった都市農地の保全・活用に関する多様な取組み事例を紹介するという内容で、地方自治体やJAはもとより、まちづくり等に関わる民間企業の実務者の方々にも多数お申込みいただき、当日は67名が参加しての開催となりました。
「新制度を推進するために」と題した第1部では、当センターの小谷主任研究員が、都市農地関連の制度が改正・刷新されて1年半が経過した現時点での、都市農地貸借法を活用した生産緑地の貸借や特定生産緑地への移行手続きなど、制度の活用状況について全国の状況を紹介するとともに、明らかになってきた様々な課題やその対応について、事例を交えながら解説しました。
休憩をはさんだ第2部は、「都市農地でできること ~都市農地の活用事例」ということで、都市農地の多面的な活用事例の紹介となりました。
まず最初に、「市民によるレクリエーション利用」の事例として、東京・目黒の生産緑地を貸借して貸し農園を開設している有限会社一ツ木の宇津山裕和氏から、都市民の農体験と交流の場づくりへの取組みをご紹介いただきました。
続いて、「農福連携による農地活用」ということで、愛知県豊田市で自然栽培による農業に取組む社会福祉法人無門会の磯部竜太氏から、障害者、企業、プロスポーツチームなど多くの人が関わる農業への取組み状況、農福連携へのニーズ、そこでの都市農地活用の可能性についてお話がありました。
最後は、「地域住民のための防災利用」として、近年注目されている都市農地の防災機能について、当センター小谷より被災地で農地が活用された事例を報告するとともに、練馬区の町会長として都市農地を活用した防災活動に取組んでいる全国農業体験農園協会の加藤義松氏より、地域コミュニティとして実践している日頃からの災害への備えについてお話いただきました。
以上、様々な事例の紹介は、ご参加いただいた皆様からもご好評いただいたほか、たくさんのご感想も含め、次回以降のゼミナールの企画・運営に活かしていきたいと思っております。
今後も当センターのゼミナール・講演会等へ、皆様のご参加をお待ちしております。
【開催概要】
■開催日時: 令和2年2月18日(火)13:15~16:30
■会場: 全水道会館大会議室
■講師及び講演テーマ
『新しい都市農地制度の推進 -都市農地の保全と多面的活用』
第1部 新制度を推進するために
講義1 「新しい制度の活用状況と今後の取組み課題」
(講師)都市農地活用支援センター・小谷俊哉主任研究員
第2部 都市農地でできること ~都市農地の活用事例
講義2 市民によるレクリエーション利用
「目黒の生産緑地で貸し農園」~都心に残る生産緑地の現状と課題
(講師)有限会社一ツ木・宇津山裕和代表取締役
講義3 農福連携による農地活用
「福祉が結ぶ民間企業と農業」~農福連携の新しいかたち
(講師)社会福祉法人無門福祉会・磯部竜太事務局長
講義4 地域住民のための防災利用
「地域コミュニティと防災農地」~災害時に農地が果たす役割と日頃の備え
(講師)全国農業体験農園協会・加藤義松理事長
+都市農地活用支援センター・小谷主任研究員
■主催: 一般財団法人都市農地活用支援センター
■後援: 全国農業協同組合中央会