11月8日(月)、「土地月間」における定期講演会終了後、引き続き、東京・渋谷区の東京ウィメンズプラザにおいて、農業・地方創生事業に関心を持つ企業と地方自治体や農業者の連携セミナーを開催いたしました。緊急事態宣言が解除された後での開催でしたが、コロナウイルス感染症を考慮し、Zoom ウェビナーによるオンラインも併用して実施いたしました。民間企業や地方自治体を中心に多くの方々にご参加いただき、会場では約 50 名の参加者、ウェビナーでは約 140 名を超える視聴者がありました。
今回のセミナーは、「都市農業を農村へのゲートウェイに」位置づけ、企業との連携による「新しい農村政策」の展開を模索している農林水産省農村振興局と協働して開催し、農山村において CSV活動を実践する「衣」、「食」、「住」の企業によるリレートークを通じて、農業・地方創生事業に進出する切り口を学ぶことを目的に、「SDGs の実現と企業の CSV 活動の促進に向けて」をテーマに行いました。
まず、農林水産省都市農業室の新田室長から趣旨説明として本セミナーの狙いとテーマについて、次いで高崎健康福祉大学准教授の齋藤文信氏から農業・地方創生分野における企業の CSV 活動事例やポイントについて、それぞれお話いただきました。
続く事例紹介では、まず株式会社阪急阪神百貨店の前田陽一郎氏から、「都市型百貨店が地方自治体と共に目指す新たなビジョン」と題し、岡山県真庭市蒜山高原における「都市⇔地方」として持続可能なライフスタイルを拡げる活動「GREENable(グリーナブル)」についてお話いただきました。次いでキリンホールディングス株式会社の藤原啓一郎氏から、「キリングループの持続可能な農業への対応戦略」と題し、主要製品であるビール・ワイン・紅茶の原料となるホップ、ブドウ、紅茶葉とその生産地の持続可能性向上の取組みを中心にお話いただきました。さいごに株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーションの松村吉章氏から、「re:ROSE GINZA7~フラワーロスをゼロに。一輪も取り残さない~」と題し、規格外や廃棄されてしまうバラを回収し、フレグランスやバラ染めのストール等の商品化への取組みについてお話いただきました。
今回の農と企業連携をテーマとしたセミナーは当センターとして初の試みであり、限られた時間ではありましたが、ご参加の皆様から様々なご感想やご意見を頂戴いたしました。今後、同様のセミナー等の開催機会がありましたら、企画・運営に反映させていく所存です。
【開催概要】
■日時・会場:令和3年 11 月8日(月) 18:00~20:00 東京ウィメンズプラザ ホール
■講演テーマ及び講師
趣旨説明「都市農業を農村へのゲートウェイに」
農林水産省 農村振興局 農村政策部 農村計画課 都市農業室 室長 新田直人氏
解説 「農業・地方創生分野における企業の CSV 活動について」
コメンテーター:高崎健康福祉大学 農学部 生物生産学科 准教授 齋藤文信氏
事例紹介:「農村部において CSV 活動を実践する企業によるリレートーク」
<衣>「都市型百貨店が地方自治体と共に目指す新たなビジョン」
株式会社 阪急阪神百貨店 サステナブルコンテンツ開発部 マネージャー 前田陽一郎氏
<食>「キリングループの持続可能な農業への対応戦略」(オンラインでのご登壇)
キリンホールディングス株式会社 CSV 戦略部 シニアアドバイザー 藤原啓一郎氏
<住>「re:ROSE GINZA7~フラワーロスをゼロに。一輪も取り残さない~」
株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーション 代表取締役 松村吉章氏
■主催:一般財団法人都市農地活用支援センター